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田圃に遊ぶ・・・


自然を愛し環境を考える   お兄ちゃんのブログです。
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これも農家の仕事 最終編

 いよいよ最終編です。

 前回の環境へ配慮した農業について追加です。
環境へ配慮することは足元の生き物に配慮することと書きました。
足元の生き物といえば狭い解釈ですが、全体の命も考えたい。
個としての命あるカエルは虫を食べサギの餌として捕食されます。
サギに食べられ続けていても、カエルとしての命は続いています。
飛び回っているカエルは個としての命。
何千年も続いているのは全としてのカエルの命です。
話しがむつかしくなってごめん。このことを理解してもらっておいて。

 トラクターが代掻きすると逃げ切れかなったカエルは泥水の中に
叩き込まれます。なんとか逃げ延びても集団のサギが待っています。
カエルにとっては地獄絵そのものです。
でも田植えが終わると賑やかな合唱が始まります。
その声に毎年の事ながらほっとします。
人間の働きかけが原因で、一時は半数以下に後退しますが、また
復元してきます。復元ができている間は大丈夫です。
ミミズもそうですが、個の命を踏みにじらないと農作業はできません。
全としての命が続くべく配慮することが有機農業の基本でありたい。
安全を基本とするのならまだしも、経済が基本の有機農業はいか
がなものかというのが私の主張です。

 農業生産の場の生き物が、この復元サイクルの中にいればいいの
ですが、私の地域のタガメやドジョウやホタルは消えてしまいました。
住環境の破壊と、絶滅させるに足る農薬をかって撒いたがために、
復元サイクルから外れてしまったのです。
このことへの反省は農家も指導機関も持ち合わせていません。
食糧が生産できなくなるまで、あるいは甚大な健康被害が認められる
まで薬撒きは続くでしょう。その時には滅亡が待っているだけです。

 さて話題を切り替えて、よく聞く言葉にこんなのがありませんか?
思いを込めて作ったからこのお米には思いがこもっています・・・とか、
愛情込めて育てました。だから安心して食べて・・・・とか、
こだわりを持って栽培したとかさ、
地産地消で安全安心・・・・・なども同類だね。

 じゃぁ聞くけどさぁ、どんな思いを込めてお米を作ったの?
どんな愛情を込めて育てたの?愛情込めたら安心できるの?
地産地消のどこが安全なの?そりゃぁ中国産より安心するけどさ。
具体性がまったくないんだよ。
どんなに精神論をぶちまけて興奮しようとも安全は生まれないよ。
慣行農法でたっぷり薬を使ったお米でも、美辞麗句を並べれば
みんな安心します。その気で通販を見ればすぐわかる。
安心を言葉一つで作ってしまうから怖い。

 ところが安全はそうはいかない。こうだから安全ですという説明が
できなければ安全は生まれません。根拠がいるわけだ。
生産工程の全てがオープンにできてこそ信用してもらえる。
もっとも嘘を書くようでは箸にも棒にもかからないけどね。
大きく育てよとか、たくさん実ってくれよとか言いながら作物を
育てるのも、愛情を込めたと言えなくもないが・・・・

産直で言う愛情とは、食べてくれるお客さんへの愛情なんだよ。
これを食べて健康に暮らしてとか、買ってくれる人の幸せに
思いを寄せることが、愛情を込めて作ることになると私は思う。
この愛情こそが、安全の基本なんだよ。
生産工程を明かさないでどこが安全安心なんだよ!
売る段階になっていくら気持ちを込めてもそれはごまかし。

 作物への愛情も否定しません。たしかに大事な部分です。
私の稲は6ヘク分。一株一株にはとても愛情が伝えれません。
でも愛情は込めているつもり。それは稲にではなく、米を買って
くれる人へです。
田植えするにも、植えればおいしいお米が取れて、みんなに喜こ
んでもらえるぞ・・・・という気持ちで作業することが、すなわち愛情を
込めて育てるということです。だから仕事が楽しくてしかたがない。
仁美ちゃん、祐ちゃん、杏ちゃん、由美ちゃん、陽ちゃん、潤ちゃん、
綾ちゃん、和ちゃん、倫ちゃん、直ちゃん、奈美ちゃんにまだまだ・・・
顔はほとんどわかりません。この人たちが喜んでくれることを願いなが
ら育てるし、お米の調製もするし、発送までするわけです。

 もう一歩踏み込むならば。
届けたお米をお客さんが食べるたびに喜び、幸せになってもらえれば
生産者冥利に尽きるのでは?
私が送るお米に込めている願いはただひとつ。
「この米を炊いたご飯で、どうか喜びを感じ幸せに浸って下さい」
たったこれだけです。
今の私にはこれ以上の言葉が見当たりません。
そのために、念には念を入れてお米の調製をするのです。
箱を閉じる前に 「愛っ!」 と叫んでおけば愛が届くかも知れないが。

 一昨年の秋、お米に込める気持ちをもう一歩成熟させたいものだ、
稲作りももう一ランク上の技術にたどり着きたいものだと書いた後、
諸般の事情でブログを中止しました。
それを今こうして発表しているつもりです。

 このシリーズの最後に価格のことにも触れておこう。
有機JASを取得した農家のコシヒカリが、ある通販で売られています。
玄米10㎏が13000円を超える。。。私の3倍以上だ! 驚き桃の木っ!
あのねぇ・・・高けりゃいいってもんじゃないだろうに。
お米をおかずにするならそれもいいけど、お米は主食と思う。
(消費量は小麦に負けているけど・・・)
主食たるお米がそう高くては、富裕層しか食べることあたわずだ。

 幼い子供を育てる年代は、給料もまだ高くない。
そんなお母さんたちが手軽に買え、なおかつ安心して子供に食べ
させることのできる価格が10キロ13000円とは私は絶対に思わない。
こんな米こそカネ儲けのための有機栽培なのだ。
有機認証を取れば高く売れる・・・・そんな気持ちで取得しているのが
ほとんどだろう。それを悪だとは言いません。
多くの紛らわしい商品の中から、消費者が安心して選べるようにとの
考えから生まれたのが有機認証制度なんだから。

 年に一度の神戸牛や松阪牛、あるいはプレミア極上品のコーヒー
ならどんなに高かろうが口は挟まない。
毎日家族みんなが食べる米はそうであってはならないと思う。
有機栽培米なら10㎏8000円でも高くないと聞く。
毎日口にするものだから少々高くても良いものを、という考えもある。
でも若いお母さんたちにそれが続けられるか?
お天道さまからいただいたお米に、そんな値段はつけたくないね。
私がそんな価格にしたら、土地の人は私を鬼みたいに言うだろうね。
でも、買ってくれる人がいたら私だって売りたいね・・・これホンネかな?
有機栽培米といえども、法外な価格で売るもんじゃないよあなたっ!
慣行栽培なのに高いのもある。騙されるんじゃないよあなたっ!

 農家の仕事と題してしつこく書きました。
耕したり播いたりすることも農家の仕事だけど、籾摺りしてから玄米
の調整も農家の仕事だし、産直農家だったらお客さんへの愛情も
農家の仕事の範疇です。
産直農家は消費者の口に入るまでが自分の責任であると自覚して
欲しい。
一般企業ではこの事をカスタマーサティスファクション(顧客満足度)
と呼んで、大切にする部分なんだよ。
ここまで考えるようになったことが、一昨年より半歩でも進んだ証
なのかなと自身で納得して、このシリーズを終わります。
書き忘れたことを思い出したら追々に発表します。

by nanohana-rice | 2014-01-30 22:25

これも農家の仕事

 これまで玄米調製以後の技術的なお話しをしてきました。
産直農家の参考になればと思って書いてきました。
この先は農業への思いとかお米への気持ちなど、内面的な
ことに移ります。
この部分がしっかりしていないと、時に悪魔のささやきに耳を
貸すことにもなりかねません。
米の品質以上に、消費者であるお客さんとのつながりの基本に
なる部分です。

 このブログを始めて足掛け7年だったかな?
有機稲作に関して何度も言いたい放題を書いてきました。
その中で有機稲作は経済的な目的で取り組んではならないと
主張してきたつもり。
化学肥料や化学農薬を使わなければ有機稲作となり、有利に
販売できて所得を上げることも可能です。そのために有機稲作
に取り組んでいる農家が多いことも認めます。
何の躊躇もなく農薬を撒き続ける農法より地球のためになる
ことも間違いないし、決して批判するものではありません。
有機稲作を続ける農家の背中を押し、農家をして頑張らせて
いることも真実です。
間違いではありません。でも私はこれに満足しません。

 また、安全な米(食糧)を孫や子供たちに食べさせたいと言う
思いから、有機稲作に取り組んでいる人も多いです。
さらに長じては安全な農産物をみんなに届けたいという思いから
頑張っている農家もたくさんいます。
安全な食糧を求める消費者とその技術を持った農家が手を結ぶ
ことも自然な姿です。
その通りですが・・・でも私はこれに満足しません。

 そんな農家に対して、
無農薬の米や野菜が安全であるという主張には、科学的な
根拠はなく、感情論であると主張する関係者も少なくありません。
だから科学的に裏付けされた残留基準が守られれば、農薬は
必要な資材であると言い張るわけだ。
科学的・・・・と言う言葉は好きになれないね。
草は除草剤で根絶し、虫は殺虫剤で駆逐しようとする慣行農法
の未来が明るいとも思えないし、声高に農薬を擁護・推進する
連中に将来があるとも思えません。
そこにあるものは自分たちの目先の利益だけ。
どんなに詰め寄られようとも、彼らに正義があるとは言えません。
農薬の使用によって利益を上げる企業や御用学者への批判は
誰かに譲るとして、安全を求める農家や消費者に対する私の
考えをお話しさせていただく。

 もし時間が許されるなら、2009年4月4日の「産直の道」と題して
書いている記事を読んでいただきたい。この発想は今も間違って
いないと信じています。
結論から書くと有機稲作を含めた有機農法は、利益のために取り
組むものでもなければ、安全のために取り組むものでもないという
のが私の信念です。
ひたすら環境のため、将来生まれてくる子供たちに蒼い海や大地
を残してやるために取り組むのが有機農法と思っています。
青い空、蒼い海、将来の子供なんて言ってみても、大き過ぎてピンと
きません。もっと身近なことに置き換えるなら、足元の虫、頭上を飛
んでいるスズメ、田んぼで泳いでいる小動物たちに配慮した農作業
の一つが有機農法であると考えています。
虫や鳥に配慮することは、彼らの生存の条件である雑草も粗末に
できません。草を守ることは虫を守り、カエルを守り、サギを守る
ことに連なるわけですから。

 有利販売や農産物の安全は後から付いてくるもの、というのが
私の基本スタンスです。
春から秋まで、環境に配慮した農作業を積み重ねてゆけば、秋
にはお天道さまから安全で、有利販売も可能な米が与えられる
のではないでしょうか?
人は暮らしの中でたくさんの農薬を使っています。蚊取り線香も
スプレーもシロアリ駆除も、食堂にゴキブリが滅多にいないのも、
バイ菌が汚いといって使う抗菌剤も、元を正せば全部農薬。
豊かな暮らしを守るために農薬をいっぱい使いながら、かたや食べ
物は安全なものが欲しいと言うのは人間のエゴではありませんか?
だから安全な食べ物を求めることにいささかの疑問を抱くわけです。

 有機農産物で所得を上げることも間違いではありません。
経済社会の中で当然のことですが、そのことにとらわれ過ぎると
悪魔のささやきに、つい耳を貸すことになるのです。
誰も見ていない・・・誰もわからないから・・・・なんてことが起きる
のです。この話し、フィクションではありません。
買って食べる身になれば答えは明らかです。
儲けのために育てた有機野菜と、お金を離れてお天道さまと一緒
になって育てた有機野菜と、どちらを食べたいですか?
有機農法への入り口は儲けであってもいいし安全であってもいい。
でも入り口にいつまでも突っ立っていないで欲しい。
小さな虫の存在に気付き、やがて環境問題に目覚めて歩めば
お客さんはもっと喜んでくれるのではないでしょうか。
そこにお客さんとつながる接点があると思います。

 人の手では草一本作ることは出来ません。人は自然にわずかに
働きかけるだけ。自然、すなわち環境に包まれるような気持ちで働
けるようになりたいもんだと、古希を近くして考えています。
人間の浅知恵でついつい悪あがきするものだから、なかなか自然に
入り込めません。
来年こそは、今年こそはと歩んでついに古希が近くなりました。
 「 稲作り 今年こそはで 古希近し 」

 生活のために所得を上げて何が悪いと、ご批判はいっぱいある
だろうと思います。でもそれはお客さんのためにはならないんです。
  「 農業は経営するものではなく生活するものなのだ 」
古希の次は喜寿だ。元気で健康で喜寿まで現役稲作りを頑張りた
いものだ。それまでお迎えはいらないと言っておこう。

 このシリーズはもう1回で終わります

 


by nanohana-rice | 2014-01-21 22:15

農家の仕事の範囲(米の扱い)

 玄米の調製をうだうだと書きましたが、まだ書き足らぬ。
でもしつこくなるので次へ進めよう。
 
 私の場合玄米販売が9割、1割が白米ってところか。
玄米30㎏の注文には米袋のまま送っていましたが、最近は
10㎏づつに分けて3袋で送っています。
30㎏は重いし、荷物が原因で腰が「ギクッ!」はあってはならい。
玄関で開梱して10㎏の小袋なら女性でも大丈夫のはず。
農家はそんなこと言ってられない。細い老体にムチ打って30㎏の
袋を頭より高く積み上げます。オナラの出そうな時はしてはダメ。
 
 10㎏の注文には、5㎏の小袋が二つです。
このほうが高温期の鮮度保持には有利です。
今の時期はシールだけですが、夏場は真空パックにしています。
品質の劣化はひとえに温度と酸素が関係しているからです。
後から開ける袋は、冷蔵庫に入れておけばいつまでも新鮮です。
 
 小分け作業をする部屋は農作業場とはまったく別のところ。
夏以外は鋼製のロッカーなどに米袋は保管しています。
米袋をコンクリートの床に置くことは厳禁中の厳禁項目。
短い足の付いた専用の板の上です。精米機も秤も同様に分
厚い板の上に乗っています。これらの板の上こそ土足厳禁。
 
  気温が高くなると虫との闘いと言っても過言ではありません。
常温での保管はゼロにします。注文を受けてから冷蔵庫の中で
計量し
持ち出し、速やかにシールします。
シールした袋は冷たいから時間が経つと周囲が濡れてきます。
缶ビールが汗をかくのと同じ原理で、いたって正常な事象です。
四季を通じて、ビニール袋に入れた米には直射日光厳禁。
袋の内側が結露して雫が垂れ米が湿ります。
 
 一番問題は夏場に白米にするとき。
冷蔵庫の中で計量し、袋の口を閉めて半日~1日かけて常温に
戻してから
精米機にかけます。
精米が終わると加圧板を開放し、運転しながら玄米の落ち口から
ブロワーで吹かします。
すると精米部に残っていた米が全部排出できます。
残留米の変質や虫の被害を防ぐためです。
終了後は機械周辺をブロワーで吹かして清潔清掃。
次の運転開始時には最初は玄米が出てくるので要注意です。
むろんお米の投入口には蓋をし、発生した米糠はその都度部屋の
外に持ち出します。これを怠るとすぐに蛾がやって来ます。
5月下旬から9月下旬までこの一連の作業は続きます。
そうしていてもどこからともなく蛾が飛んできます。
これの対応はハエ取りリボンに限ります。
最後の頼みの綱は、昔ながらのハエ取りリボンだったりして・・・
 
 精米時には米に力が加わるため割れて砕ける米が発生します。
この割れ米
を除去するのが砕米除去機。
精米して細くなった米ですが、1.8㎜
の網でふるっています。
落ちた米を見ると、これがっ!っと思われる
ような米も落ちています。
もったいない気もしますが、店で売っている
米はもっときれいです。
砕米はワンコのご飯になります。
 
 さて、この砕米除去機、どこからでも虫が入り込む構造です。
使い終わって5日もそのままにしておくと、虫が綴ってきます。
コンパクトな機械なので、ホームセンターで売っているストッカー
入れ、新聞一枚をパッキン代わりに乗せて蓋をパチンと止め
ます。
この一枚の新聞紙で防虫が完全になるのです。
 
 精米機も砕米除去機も掃除がイ・ノ・チ。 そう命なんだ。
決まった部分に糠がべっとりと付着します。
どちらも掃除を怠ると剥がれた糠の塊が白米に混ざります。
とことん分解し、木製のヘラやワイヤーブラシで掃除します。
分解すれば構造もよくわかるし、異常時にすぐ対応できます。
掃除用七つ道具を常に備えておき、時間があれば掃除です。
清潔な機械や作業環境から良い製品が生まれると心得るべし。
 
 ある農家が白米を飲食店に卸していました。
ある時呼び出されてからは、卸すのを止めたと聞きました。
理由は話してくれないのですが、後日家を訪ねることがありました。
精米機は今も使っているにもかかわらず、ほこりと糠にまみれて
虫が綴りひどい状態でした。
周囲も農機具の土やワラくずで見てはいられない。
石抜き機とセットの高性能精米機で高かったと聞いているが、
使いこなしていない。
やる気の問題か、モラルの問題か、無知なる故なのか。
精米さえすれば高く売れると簡単に考えたのだろうか。
どうすればお客が喜び満足してくれるか、考えたことあるのかな?
この人、お客のことや米の品質を話題にしたことはないなぁ・・・・
他山の石は以って玉を磨くべし・・・・とはこのことだ。
 
 重ねて言おう。
稲を作るのも仕事だが、米を扱うのも農家の仕事の範疇なのだ。

 まだ続くぞ!


by nanohana-rice | 2014-01-16 21:56

農家の仕事の範囲

 籾の乾燥は今回のテーマから外しています。
籾摺り以後のことに重点を置いていますから悪しからず。
前回では項目ごとに機械のことや思うところを書いたので、
ここで私のしていることをお話しします。

 乾燥の終わった籾はホッパー(24㎥)に入れます。
下部はジョーゴになっていてパイプで籾摺り機に落とします。
以下順不同で書きます。
第1籾摺り機、第2籾摺り機(選別機)、第1グレーダー(1.8㎜)、
第2グレーダー(1.85㎜)、計量機付き第3グレーダー( 2.1㎜)
色彩選別機(前後に昇降機と1㎥ホッパーの各セットを設置)、
第1石抜き機、第2石抜き機、小型穀物昇降機1台、
最後に米袋を持ち上げてくれる機械です。
これらが直列に配置されていますから、全ての機械を通った
米が製品になって紙袋に入ります。
製品の米以外にくず米3種類と色彩選別機のリゼクト(着色米)
が出てきます。とりあえずパレットに積んでおき、最後に国の定
める検査を受け、専用冷蔵庫や鋼製物置に保管します。

 ここまで揃えるのに25年かかりました。資金の問題ではなく
お客さんのためにはこれもあったほうがいい、こんな処理も
したほうがいいと、一歩づつ歩んだ25年間の結果が現在の
設備です。まだまだ満足しているわけではありません。
もっと喜んでもらうにはどうすればよいのか、稲作人生が
終わる日まで続くでしょう。
産直を始めた頃は知識はなく、今思えばひどいものでした。

 話しが変わって、毎日食べている卵を例に話します。
汚い話で申し訳ないのですが、卵が通って出る穴と、ウンチ
の通る穴は同じだってことはご存知だと思う。
我が家もずっと以前はたくさん飼っていました。
卵にはウンチがそれなりに着いています。
でも出荷の時にはきれいになっています。

 120万羽の養鶏場を見学させてもらったことがあります。
鶏舎から集めた卵は当然きれいなものとは言えません。
洗浄室で洗われ水を切られた卵は、壁で隔てた次の部屋
にコンベアーで運ばれます。
この部屋からは清潔な物として扱われ、作業する人も含めて
衛生管理が徹底されパック詰め、箱詰めされて出荷されます。

 何が言いたいか賢明な読者はもうお気づきでしょう。
最初は汚い卵も、ある工程から清潔なものとして扱います。
お米だって同じではないかな?
籾の時には乾燥機の中に地下足袋で入ることもあります。
しかしだ、籾摺り機で玄米になった時点から、きれいなもの
として扱っています。
生のまま口に入れるものではないので、食品工場ほど気を
使う必要はありませんが、それなりに考えて作業したい。
まだまだ改善点はありますが、とりあえず現在やっていること
を話します。

 籾摺り作業をしている周辺は土足厳禁です。
作業場の入り口で専用の靴に履き替えたらまず掃除。
大きなチリがあれば箒で掃き取り、次にブロワーで床の
ほこりを吹かしてきれいにします。
風を入れる送風機(大型扇風機)と排出する送風機の2台で、
舞い上がったほこりを強制的に出します。これは毎日のこと。
ズックで床を蹴ると、ゴム底はキュっと音がして吸い付きます。
ブロワーで吹かしていないと、靴底は鳴りません。
米袋を床に置いたとき、袋に土ほこりが着いたり砂利が
あると石粒が袋にめり込んだりするからです。
米がこぼれるとすぐに掃き取り容器に保管しておき、全てが
終わってから何度も精選して自家消費になります。
その日の作業が終わると機械の周囲をきれいに掃除です。
機械のオープン部分には蓋をして、虫の侵入を防止します。
翌日蓋を取り忘れると・・・・時折大騒動になります・・・

 作業場の入り口(シャッター)の床には、風でゴミや落ち葉
が舞い込まないように板を立てます。
外来者が土足のまま立ち入るのを防ぐために、胸ほどの
高さに棒を渡します。今年こそは看板作ろう・・・
これを見て一瞬立ち止まってくれれば良いわけです。
中に入る場合は用意してある上履きに履き替えてもらいます。
籾摺り作業が終わると普段に戻り、土足厳禁も解除です。
精米作業や計量・袋詰めは離れた別の部屋で行いますが、
同じ理念で作業します。それは追ってまた。
きれいな職場環境から良い品質の製品が生まれます。
物作りの工場でも農作業場でも同じではありませんか?

 いち農家がそこまでやるの? っ と思われるでしょう。
全てが神様であるお客さんのためなのです。
JAに出荷する米だったら私もここまで気を使いません。
籾摺り機1台とグレーダーのたった1台で十分。
石抜き機だって我が家で食べる分だけに使います。
時間かけて積み上げた信用も、堕ちるのは一瞬でしょう。
食べて下さるお客さんを常に意識することが、とりもなおさず
自分を守ることです。
だからお客さんへの配慮が欠落してはだめですよ、となる
わけです。産直農家の人、読んでくれているかな?

 いや~~、長い文章だこと!疲れるよ。
                続く


by nanohana-rice | 2014-01-10 22:57

農家の仕事の範囲

 何はともあれ先ずは謹賀新年。
稲作関係の記事は、明るい話題に乏しい。
いやいや、やり方一つでまだまだ捨てたものではないし、
視点を変えると明るい展望も見えている。
というわけで、今年もしっかり頑張るとしよう。
 
 農家の技術の3回目です。技術と言うより責任範囲と
言うべきか。JAや業者に販売した米は、精米業者で加工
されてスーパーの棚に並ぶ。
農家は米を買わないから手に取って見ることもないと思う。
だから井の中の蛙に陥りやすい。
ディスカウントショップで見たことはないのだが、通常の価格で
販売されている標準的な米をじっくり見てみよう。
砕米(割れた米)はなく粒が揃っていて、虫の被害粒も見当た
らない。見事なものだ。
 
 かってその道に詳しい人から聞いたことがある。
粒の小さいコシヒカリでさえ玄米は2.1㎜のグレーダーを通すと。
精米して細くなった白米は1.85㎜でふるい、砕米を取り除くという。
色彩選別機は玄米の時点はもちろん、白米も処理する。
白濁した米は白打ちといって、白い色に反応して弾き飛ばす。
こうしてプロは想像もつかないほど手間をかけて商品としての
米に仕上げているのだ。
 
 産直農家にそこまでやれとは言わない。
技術の蓄積もないし設備も持っていない。
かと言って甘えが許されるはずもない。買ってもらう商品だし、
口に入れるものだから。
どのあたりで手を打つかは、それぞれが決めればいいだろう。
この先は私のやっていることを参考に書いてみる。
決してテキストではなく、各々が更に向上させれば祝着至極だ。
そうやって産直米のレベルが向上してお米の消費拡大に
つながれば幸甚だ。
ただ、産直農家には厳しい内容になるからお断りしておく。
非農家の方にはわかるように説明を入れます。
秋に稼動している時の見学はお断りだよ。邪魔はしないで!
 
1. まずは粒を揃えることについて。
グレーダー(網でふるって細い米を除く機械)の網目と台数。
特別に細い粒の米を除き、網目は1.85㎜以上を使う。
1.8㎜を使っている人が1.85㎜にすると米がたくさん落ちる
ように思うだろうが、それはもともと未熟米で太っていない米。
そんなものをお客さんに渡すべきではない。
1.85㎜の網といえども一回処理では除ききれない。
もう一台増設して1.85㎜で2回目をふるうと少ししか落ちないが、
わずかに残った未熟米を除くことで品質は1ランク上になる。
農家の事情を考慮すると、1台目には1.8㎜を付け、2台目に1.85㎜
をつけると、1.85㎜から落ちたくず米は有利に販売できる。
理想を言えば2台目には1.95㎜ぐらいを装着したい。
 私の場合を話すと、1.8㎜・1.85㎜・2.1㎜と、3台のグレーダーで
処理している。最後のグレーダーから落ちた米は、色彩選別機も
通っているし、ちょっと目にはわからないほどきれいな米だ。
これはB級品として人気商品です。
落ちなかった米はどこに出しても恥ずかしくない品質に仕上がる。
2.1㎜のついた3台目はインバーター方式といって、回転数を変え
ることで落ちる量を調節できるようになっている。
 
2. 石抜きについて
比重の差によって米とそれより重いものを選別除去する機械だ。
刈り取り時に立っている稲なら1台の石抜き機で十分だが、極度に
倒伏した稲を刈った時には、もう一台必要である。
あるいは一度石抜きした米をフレコンかタンクにストックしておき、
もう一度石抜き機を通す必要がある。それがしたくないのなら2台
目の機械を準備すること。1台目で97%は取れるが、残り3%の石
が混ざったままではお客さんには渡せない。
私は2台目の石抜き機は最後の計量直前に設置している。
工程の途中で脱落したネジやナットもキャッチできるから。 
このご時世に石抜き機を持っていない農家は、産直は止めるべき
と申し上げておこう。
 
3. 籾について
一番厄介なのが籾だ。白米しか販売しないのなら籾の心配はない。
玄米は業者に売れば済む。
玄米食のお客とわかっているのなら、籾ゼロの米に仕上げよう。
少量なら籾摺り機(籾を玄米と籾殻に分ける機械)から出たものを
一旦米袋かフレコンにストックしておき、もう一度籾摺り機の張り
込みホッパーに入れて籾を取り除く。
この時はゴムロールは開放しておくと米の表皮が傷つきにくい。
籾として選別されたものは、脱ぷ部(ゴムロール部)に循環させないで
排出すれば除去できる。私も何年かこうやったものだ。
現在は選別機を設置して籾を選別除去している。
この選別機というのは売ってはいない。籾摺り機の揺動選別部を
利用している。
選別機から排出された籾を含む米は、第1籾摺り機に返している。
設置の広いスペースはいるし、運転する3相動力電源も必要になる。
この段階で厳しく選別して次工程に流しているが、実は未熟米の
籾が時折すり抜けて流れる。
この籾に出会う確立は、宝くじで10万円が当たるぐらいの確立だろう。
でも、商品として考えればそれもあってはならないことである。
それをカバーしてくれるのが次の色彩選別機だ。
 
4. 着色米
出穂開花時に障害を受けると茶米が発生するし、カメムシ被害は黒い
斑点となる。農家もJAも仲買業者も嫌うのがクサネムの種子。
米粒ほどの大きさだからグレーダーでは除去できない。
これの除去にはどうしても色彩選別機が必要になる。
前述したように、未熟米の籾の除去にもなる。
色彩選別機とは、米を縦一列にすだれのように流し、着色した粒が
落ちるのをカメラが観ていて、レンズの前を通った瞬間に圧縮空気で
着色米と周囲の何粒かの米を吹き飛ばして除去する機械。
最近はどのメーカーも籾摺り機の後に設置してラインの中で使うコン
パクトな機種を発売している。
私に言わせるとこれはあくまで簡易の機械で、タンクや昇降機を備え
た本格的な設備に比べると、いかがなものかと思われる。
ただ本格的な機械はべらぼうに高い。産直農家は小ぶりの中古品で
十分。それでも200~250万ぐらいの覚悟は要る。
 私の場合も工程の間に設置しているが、籾摺り能力より劣るので、
ストックするタンクがやがて一杯になる。対策として、色選の前と後に
フレコンを吊り下げてタンクを倍増したのと同じ効果の工作をしている。
前回の記事では色彩選別機は遠くない日に必需品になると書いたが、
できたら今年の秋からでも導入して欲しい。無理にとは言わんが・・・・
お客さんは喜ぶぞ。
 
 長い文章になったので続きは次回に譲る。疲れた!
誰ぞ原稿料をくれないかなぁ~~!


by nanohana-rice | 2014-01-04 20:56