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田圃に遊ぶ・・・


自然を愛し環境を考える   お兄ちゃんのブログです。
by nanohana-rice
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農家の仕事の範囲

 何はともあれ先ずは謹賀新年。
稲作関係の記事は、明るい話題に乏しい。
いやいや、やり方一つでまだまだ捨てたものではないし、
視点を変えると明るい展望も見えている。
というわけで、今年もしっかり頑張るとしよう。
 
 農家の技術の3回目です。技術と言うより責任範囲と
言うべきか。JAや業者に販売した米は、精米業者で加工
されてスーパーの棚に並ぶ。
農家は米を買わないから手に取って見ることもないと思う。
だから井の中の蛙に陥りやすい。
ディスカウントショップで見たことはないのだが、通常の価格で
販売されている標準的な米をじっくり見てみよう。
砕米(割れた米)はなく粒が揃っていて、虫の被害粒も見当た
らない。見事なものだ。
 
 かってその道に詳しい人から聞いたことがある。
粒の小さいコシヒカリでさえ玄米は2.1㎜のグレーダーを通すと。
精米して細くなった白米は1.85㎜でふるい、砕米を取り除くという。
色彩選別機は玄米の時点はもちろん、白米も処理する。
白濁した米は白打ちといって、白い色に反応して弾き飛ばす。
こうしてプロは想像もつかないほど手間をかけて商品としての
米に仕上げているのだ。
 
 産直農家にそこまでやれとは言わない。
技術の蓄積もないし設備も持っていない。
かと言って甘えが許されるはずもない。買ってもらう商品だし、
口に入れるものだから。
どのあたりで手を打つかは、それぞれが決めればいいだろう。
この先は私のやっていることを参考に書いてみる。
決してテキストではなく、各々が更に向上させれば祝着至極だ。
そうやって産直米のレベルが向上してお米の消費拡大に
つながれば幸甚だ。
ただ、産直農家には厳しい内容になるからお断りしておく。
非農家の方にはわかるように説明を入れます。
秋に稼動している時の見学はお断りだよ。邪魔はしないで!
 
1. まずは粒を揃えることについて。
グレーダー(網でふるって細い米を除く機械)の網目と台数。
特別に細い粒の米を除き、網目は1.85㎜以上を使う。
1.8㎜を使っている人が1.85㎜にすると米がたくさん落ちる
ように思うだろうが、それはもともと未熟米で太っていない米。
そんなものをお客さんに渡すべきではない。
1.85㎜の網といえども一回処理では除ききれない。
もう一台増設して1.85㎜で2回目をふるうと少ししか落ちないが、
わずかに残った未熟米を除くことで品質は1ランク上になる。
農家の事情を考慮すると、1台目には1.8㎜を付け、2台目に1.85㎜
をつけると、1.85㎜から落ちたくず米は有利に販売できる。
理想を言えば2台目には1.95㎜ぐらいを装着したい。
 私の場合を話すと、1.8㎜・1.85㎜・2.1㎜と、3台のグレーダーで
処理している。最後のグレーダーから落ちた米は、色彩選別機も
通っているし、ちょっと目にはわからないほどきれいな米だ。
これはB級品として人気商品です。
落ちなかった米はどこに出しても恥ずかしくない品質に仕上がる。
2.1㎜のついた3台目はインバーター方式といって、回転数を変え
ることで落ちる量を調節できるようになっている。
 
2. 石抜きについて
比重の差によって米とそれより重いものを選別除去する機械だ。
刈り取り時に立っている稲なら1台の石抜き機で十分だが、極度に
倒伏した稲を刈った時には、もう一台必要である。
あるいは一度石抜きした米をフレコンかタンクにストックしておき、
もう一度石抜き機を通す必要がある。それがしたくないのなら2台
目の機械を準備すること。1台目で97%は取れるが、残り3%の石
が混ざったままではお客さんには渡せない。
私は2台目の石抜き機は最後の計量直前に設置している。
工程の途中で脱落したネジやナットもキャッチできるから。 
このご時世に石抜き機を持っていない農家は、産直は止めるべき
と申し上げておこう。
 
3. 籾について
一番厄介なのが籾だ。白米しか販売しないのなら籾の心配はない。
玄米は業者に売れば済む。
玄米食のお客とわかっているのなら、籾ゼロの米に仕上げよう。
少量なら籾摺り機(籾を玄米と籾殻に分ける機械)から出たものを
一旦米袋かフレコンにストックしておき、もう一度籾摺り機の張り
込みホッパーに入れて籾を取り除く。
この時はゴムロールは開放しておくと米の表皮が傷つきにくい。
籾として選別されたものは、脱ぷ部(ゴムロール部)に循環させないで
排出すれば除去できる。私も何年かこうやったものだ。
現在は選別機を設置して籾を選別除去している。
この選別機というのは売ってはいない。籾摺り機の揺動選別部を
利用している。
選別機から排出された籾を含む米は、第1籾摺り機に返している。
設置の広いスペースはいるし、運転する3相動力電源も必要になる。
この段階で厳しく選別して次工程に流しているが、実は未熟米の
籾が時折すり抜けて流れる。
この籾に出会う確立は、宝くじで10万円が当たるぐらいの確立だろう。
でも、商品として考えればそれもあってはならないことである。
それをカバーしてくれるのが次の色彩選別機だ。
 
4. 着色米
出穂開花時に障害を受けると茶米が発生するし、カメムシ被害は黒い
斑点となる。農家もJAも仲買業者も嫌うのがクサネムの種子。
米粒ほどの大きさだからグレーダーでは除去できない。
これの除去にはどうしても色彩選別機が必要になる。
前述したように、未熟米の籾の除去にもなる。
色彩選別機とは、米を縦一列にすだれのように流し、着色した粒が
落ちるのをカメラが観ていて、レンズの前を通った瞬間に圧縮空気で
着色米と周囲の何粒かの米を吹き飛ばして除去する機械。
最近はどのメーカーも籾摺り機の後に設置してラインの中で使うコン
パクトな機種を発売している。
私に言わせるとこれはあくまで簡易の機械で、タンクや昇降機を備え
た本格的な設備に比べると、いかがなものかと思われる。
ただ本格的な機械はべらぼうに高い。産直農家は小ぶりの中古品で
十分。それでも200~250万ぐらいの覚悟は要る。
 私の場合も工程の間に設置しているが、籾摺り能力より劣るので、
ストックするタンクがやがて一杯になる。対策として、色選の前と後に
フレコンを吊り下げてタンクを倍増したのと同じ効果の工作をしている。
前回の記事では色彩選別機は遠くない日に必需品になると書いたが、
できたら今年の秋からでも導入して欲しい。無理にとは言わんが・・・・
お客さんは喜ぶぞ。
 
 長い文章になったので続きは次回に譲る。疲れた!
誰ぞ原稿料をくれないかなぁ~~!


by nanohana-rice | 2014-01-04 20:56
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