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田圃に遊ぶ・・・


自然を愛し環境を考える   お兄ちゃんのブログです。
by nanohana-rice
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農家の技術ってどこまでだ

 農家の技術の第二弾だ。
 
 タネ播いて植えて刈って乾燥調製して出荷するまで、全てが農家の
仕事なんだが、私が思うに刈り取る前までが仕事だと思っている。
それまでは肥料をどのくらい、いつ振ろうかと自分で考える。
刈り取り以後は機械任せで淡々とこなすだけ。
乾燥なんか完全に機械任せ。籾摺りはそれなりに気を使うから、
立派な仕事だと言うだろう。たしかに間違いではない。
しかし自主性はなく、メーカーが決めたことをするだけのことだ。

 刈り取り以後で話題になることはもっぱら収穫量のこと。
それ以外には倒れたので苦労したとか。乾燥機がトラぶったとか、
くず米が多かったなど。技術的な話はせいぜいこんなところ。
消費者のことなど話題にはならない。
だから消費者の喜ぶようなお米に仕上げることなんかしないね。
たとえ産直でお米を売っていなくても、食べ物を生産して出荷する
最後の時点で、買って食べてくれる人のことが意識に無いようでは
農家として、百姓職人として失格だな。厳しすぎると思うかな?

 米は国の定める検査を受けないと、品種も取れた年も表示できない。
検査を受けていない米を 「未検」 と言い、価格で叩かれる。
米を自分でネット販売する際でも、未検査米は品種名も年産も表示
できないことをご存知だろうか。 ま、これは原則だけどね。
検査では未熟米、胴割れ、籾などの混入度合いでランク付けされる。
農家は検査結果が1等になったと言って喜ぶものだ。
年によっては1等が難しいこともある。どんなに調製しても2等に
なる年もある。
農家の喜ぶ1等米は、あくまで農家のレベルでのこと。
消費者レベルで見ると、あまりにもお粗末な内容である。
箸にも棒にもかからないとはこのことだろう。
こんな米は業者に原料として売るのなら問題ないが、お客さんに
商品として売ってはならない。

 たとえば籾。
玄米1000粒中に3粒の籾の混入なら1等になる。
1000粒って23グラムほど。片手で軽く握ったぐらいだったかな?
世の中、みんな白米を食べるとは限らない。
玄米食の人がこの米を食べると、1食の内で何度籾殻を口から
つまみ出すことになるか。籾殻を噛むと砂みたいに感じられる。
食べる側もこんなものだと諦めているのか。
これは出荷した農家に全責任があると思う。
籾が混ざっているような米が1等になったと喜ぶ農家には、
食べてくれる消費者への意識が欠落しているんだよ。
わかりやすく言えば、お客さんへの思いやりが皆無だってこと。
収穫した米を商品に仕上げることを忘れているんじゃないの?
どうやったらお客さんがもっと喜んでくれるか。そのためには
どんな処理をしなければならないのか。いつもこのことが頭の
中を駆け巡るようでないと、産直やる資格ないね。

 混ざっていないほうが良いと思われるものには、籾以外にも石や
草の種子、麦粒、未熟米といってお米としてカウントできない小さな
子供クラスの米粒などもある。
開花後に穂が障害を受けて着色した米なども含まれる。
差し上げるプレゼントなら何でも構わないが、購入してもらう
商品だからこそ混ざらないようにしたいものだ。
店でお菓子を買ったとする。
袋の中に虫が入っていたら、安全な証だと喜ぶか?
長い毛髪が入っていても平気か?
工程管理、衛生管理の不行き届きの証拠だろうが!
自分の米を買ってくれたお客さんがこんな思いをしないように、
いろんな状況を想定してお米を仕上げることも、農家の仕事だぞ。
声を大にして言いたい。

 産直でお米を販売する場合は、石抜き機は必須の道具だ。
石抜き機も持たないで米を売るなんて想像もしたくない。
石抜き機能のついたコイン精米機を使ってくれなんて逃げ道。
売る自分に石を抜いておく義務があるのだとなぜ思わない。
ネジの締まっていない箇所があったら自分で締めてっ!
そんなこと言いながらトヨタが自動車を販売するか?
着色米を除去する色彩選別機もできれば通したい。
高価だが産直するには色選は必需品となる日も遠くない。

 元手がかかるからと言って、籾摺り機1台と選別計量機1台
で仕上げようなんて考えが甘いんじゃ。
農家だからこの程度の仕上がりで十分・・・・なんて思っている
人は産直やらない方が良い。お客さんがかわいそうだ。
機械代をかけたくないのなら、お盆に広げて手で拾うか?
原材料としての米ではなく、商品としての米を売るには、先ずは
意識改革だ。プロとしての自覚に目覚めないでどうする?
お客さんを神様のように思わなくてどうする?
プロ意識が生まれれば機械代が惜しいとは思わなくなる。
産直のための当然の出費であり、経費としても落とせるのだ。
TPPは間もなく妥結するだろう。
これから生き残るには、政府の方針に従って規模拡大路線に
進み、作業は荒く補助金漬けで生きてゆくか、それとも自分の
道を開拓し、丁寧な作業で消費者とつながって生きてゆくか。
後者を選ぶのなら、早くプロ意識に目覚めることだな。

 私のやっていることは詳しくは書かないことにしようか。
書くと自分で考えることをしないから。
営農指導では自分で考えることはタブーだ。
言われる通りをする農家が良い子という長い歴史がある。
新しい技術は指導してもらえると思っている。甘えの構造だ。
わからなければ本を読み、自分で考え試行錯誤すればいい。
自分で考える農業に切り替えないと間に合わないだろうが。
稲作人生、先があるようでもそんなに長くはないぞ。
菜の花農法も試行錯誤の連続だったが、基本は本で学べた。
米を商品に仕上げることは誰も教えてくれない。聞くことすら
できない。自分が客だったらどう思うか・・・・ひたすら考えた。

 たくさん書いたのでポイントが見えづらくなったからまとめる。
農家よ、刈り取りまではあれこれ考えて稲作するくせに、刈った
後に米を仕上げる段階でどのくらい気を使い、腐心しているか
よ~く考えてもらいたい。
次回はもっと耳の痛くなる話になりますぞ。

              来年に続く

 では良いお年をお迎え下さい!

by nanohana-rice | 2013-12-29 23:24
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