ドカン肥を振る時期に関してもう一歩突っ込もう。
前回では出穂45日前と言った。でもこれはあくまで標準、目標値。
目標値にはかならずプラスマイナス(±)が付いているもの。
45日前が理想だが人生いろいろあるもの。
この日が都合悪ければ一週間前の日曜日でもいいし、
一週間後の日曜日でも構わん。
体力のある稲はそのくらいのブレは引き受けてくれる。
特に初めての人、への字に自信のない人には以下をお勧めする。
1 ドカン肥は50日前に振る。
2 施肥量は今までの窒素量の半分からやってみる。
3 足りなければ10日後の40日前に少量追加を振る。
足りるか足りないかは目標とする茎数に対してのこと。
例えば坪50株植えをした場合、坪当たり1000本を限界とすると、
1000÷50=20 つまり一株が20本になれば良い。
無施肥2本植えでも、45日前には最低10本には増えているはず。
ドカン肥で20本になれば良いのだが、平均15本だったとすると、
一株にもう5本欲しい。こんな時に硫安現物で反当3㎏ほど追加する。
2回目の少量追加の意味、おわかりいただけたかな?
こんな少量の時こそ流し込み施肥法が役立つ。
だから現代農業8月号を買って読んでくれと言ったでしょ。
40日前なら安心して振れる。
もし、ドカン肥を標準の45日前に振ったとすると、
10日後に追加する時は35日前になっている。
入れないよりマシかも知れないが、早めの穂肥になりかねない。
井原氏によれば、この時期窒素が効くと身の程を知らない大きな穂になる。
倒れやすいし、登熟は悪く、ろくな米にならない。
1 で施肥量は、窒素成分で今までの半分と言いました。
最初の年はびっくりするくらいできるもの。
それは深いところに隠れていた肥料が、太い根で吸収されるから。
足りなければ追加すればいい。過ぎて倒すのが一番悪い。
『それ見ろ、言ったことか。だから止めておけと言ったんだ。
への字かはの字か知らんがとんでもないことだ。
来年からは今まで通りにやるんだぞっ!』 ってな感じになる。
への字稲作の名誉のためにも、特に最初の年は倒さないで欲しい。
私の経験から申し上げておく。